
年長になって、そろそろ小学校のことが気になってきた。
算数って、入学前にどこまでできていればいいんだろう?

周りの子と比べて、うちの子は大丈夫かな…
何かしておいた方がいいのかな?
そんな不安を感じているパパママは多いのではないでしょうか。
実は、就学前の子どもの数の力と、小学校入学後の算数の成績には強い関係があることが研究で示されています。その研究で使われてきた4つのチェック項目を、ご家庭でも今日すぐ試すことができます。
この記事では、その研究をもとに、ご家庭で今日すぐ試せるチェックリストをご紹介します。

小・中学校に10年以上勤めた経験があり、
理学部数学系大学院修了、現数学教員である夫の視点も取り入れながら
保護者の目線でわかりやすくまとめました。
この記事を読むことで、
- お子さんの数の力が今どの段階にあるかがわかる
- できていない部分があっても、今日からできる対応がわかる
- 「大丈夫かな」という不安が、「こうすればいい」という安心に変わる
入学前に焦って詰め込む必要はありません。
まずは今日、4つのチェックを試してみましょう!
年長で確認すべき4つの算数力チェック

就学前の子どもの「数の力」を確認する方法として、研究の世界では”TEN-CBM(Test of Early Numeracy)”と呼ばれる評価方法があるようです。
なんと、
この4つの項目ができることと、小学生での算数力が高いこととが強い関係性をもっている
この記事では、就学前の子どもが対象の研究で行っていた4つのチェック項目を、ご家庭で簡単に試せる形でご紹介します。
まずは、次の4つのチェックを試してみましょう!
①声に出して数えられるか(口頭のカウンティング)
チェック方法
「1から声に出して、できるだけ数えてみて!」と声をかけてみましょう。
- スムーズに1から数えられるか
- どこまで正しく数えられるか(目安:10〜20まで)
- 途中で詰まったり、数を飛ばしたりしていないか
数の基本的な順序が身についています。
算数を学ぶ上で、必要不可欠な数の土台はしっかりしています!

日常の中で、一緒に数える場面を増やしていきましょう。
我が家の子どもちゃんも、ご飯のときに「〜〜個あるね」や、お風呂では「い〜ち、に〜ぃ」と一緒に数えていました。
「いっしょに数えよう!」と声をかけながら、階段を上るときや、おやつを並べるときなど、一緒に数える場面を増やしていきましょう。
②数字を見て読めるか(数の認識)
チェック方法
紙に「0〜20」までの数字をバラバラに書いて、「これは何?」と一つずつ指さして聞いてみましょう。
- 数字を見て、正しく読み上げられるか
- 「6」と「9」、「1」と「7」など、形が似た数字を混同していないか
数字という記号と、数の読み方が一致しています。
これで、言葉と文字を対応することができ、計算や文章表現の理解に近づくことができます。

数字カードを使って「神経衰弱」のように遊ぶのがおすすめです。
ゲーム感覚で自然と数字に慣れていきましょう。また、買い物をするときなどに、値段の数をみて、読み方を聞いてもいいでしょう。
③数の大きさがわかるか(量の識別)★特に重要
チェック方法
「5と8、どっちが大きい?」「3と7、どっちが少ない?」のように、2つの数を言って数の大小を比べさせてみましょう。
紙に数字を書いて見せながら聞いてもOKです。
- 数字を見て、大小をすぐに答えられるか
- 指を折って数えないと答えられないか
数の大きさ(量感)が育っています。
これは小学校以降の算数にとってとても重要な力です!
この大小関係が数直線のイメージを作り出すことに繋がります。

おはじきやブロックを使って「こっちの山とあっちの山、どっちが多い?」と具体物で比べる経験を積んでみましょう。
目で見て、数と個数を捉えながら、量を感じる体験がこの力を育てます。
④数の並びがわかるか(失われた数)★特に重要
チェック方法
「1・2・3・□・5、□に入る数は何?」「4・5・□・7・8、□に入る数は何?」のように、数の並びの中に空欄を作って答えさせてみましょう。
- 数の並びのルールを理解して答えられるか
- 数の列の途中だけでなく、「□・2・3」のように最初が抜けているパターンも試してみましょう
数が順序よく並んでいるという「数の構造」が理解できています。

数字を順番に書いたカードを並べて、一枚だけ裏返して「何が隠れているかな?」と当てるゲームが効果的です。
遊び感覚でチャレンジしてみましょう。
なぜ重要?研究で分かった4つの算数力
4つのチェックを試してみていかがでしたか?
「なんでこの4つなの?」と思った方もいるかもしれません。
実は、これらの項目には
研究に基づいた根拠
があります。
小学生以降の算数力との関係がある
幼児・幼稚園児を対象とした研究で使われる**TEN-CBM(Test of Early Numeracy)**という評価方法があります。
これは主に米国で開発・研究され、実際に活用されている算数アセスメントツールです。
この評価では、先ほどご紹介した4つの課題
・口頭のカウンティング
・数の認識
・量の識別
・失われた数
が主に用いられており、
就学前のこれらの力が、小学校入学後の算数の成績と強い関係を持つ
ことが示されています。
つまり、年長の時点でこの4つの力を確認しておくことは、単なる「早期教育」ではなく、入学後の学びの土台を把握することにつながるといえます。
信頼性のある研究結果が出ている
早期の算数能力評価のためのCBM 就学前の幼児・幼稚園児を対象とした9本のうち7本の論文で,早期算数能力テスト(Test of Early Numeracy:以下,TEN)-CBMが用いられていた。
米国における算数のカリキュラムに基づく尺度(CBM)の研究動向
と書かれてあります。
TEN-CBMは、複数の研究で繰り返し検証されてきた評価方法とわかります。
1つの研究で偶然出た結果ではなく、また、この項目と算数のテストと強い関係性があることも分析されていることから、その信頼性は高いですね。

「研究で言われているから正しい」と盲目的に信じるのではなく、
「こういう傾向がある」という参考情報として活用するのがおすすめです!
特に重要な2つの力(③量の識別・④失われた数)
4つの中でも、研究で特に注目されているのが
③量の識別(数の大きさがわかるか)と、④失われた数(数の並びがわかるか)
の2つです。
この2つは、
小学生の算数における学年末の学力テストの結果を予測する力が特に強い
と結論づけられています。
なぜこの2つが重要なのでしょうか?
数を「記号」としてではなく「量」として理解できているかを示します。
これは繰り上がり・繰り下がりなど、より複雑な計算の土台になります。
数の構造やルールを理解できているかを示します。
これは数の規則性の理解につながります。
この2つが「もう少し」だったお子さんは、特に日常の中で意識して取り組んでみましょう。
できていなかったらどうする?それぞれへの対応
チェックの結果、「もう少し」だった項目があっても、焦る必要はまったくありません。
それぞれの項目に応じた対応を、具体的にご紹介します。
①声に出して数えられなかったとき
目標:10まで正しく数えられるようにする
まずは「10まで」を目標にしましょう。
ポイント
「数える」という行為を、毎日の生活に自然に組み込むことが大切です。 机に向かって練習するよりも、生活の中で繰り返す方が子どもの記憶に定着しやすいです。お子さんと一緒に数えてあげることをおすすめします。我が家の子どもちゃんも、毎回一緒に数えることで、自然と数えるようになりました。
②数字を見て読めなかったとき
目標:0〜10の数字を見て読めるようにする
ポイント
数字を「覚える」のではなく、「よく目にする」環境を作ることが先決です。
視覚的に触れる機会を増やすことで、自然と記憶されていくでしょう。
特にトランプで神経衰弱はおすすめです。
我が家の子どもちゃんは、どハマりして毎晩取り組んでいると、数字を覚えることはもちろん、カードの位置を記憶することもできるようになり、他の部分での成長もあります!
③数の大きさがわからなかったとき
目標:具体物を使って「多い・少ない」を感じる体験を積む
ポイント
この段階では「数字」より「量」を体で感じることが大切です。
目で見て、手で触って、量の違いを実感する体験を重ねましょう。
我が家では、てんびんを手作りして、大小感覚を養う遊びをしてみました!
④数の並びがわからなかったとき
目標:「1の次は2、2の次は3」という順序の感覚を育てる
ポイント
数の並びは「ルール」として教えるより、繰り返し触れる中で自然に気づくのが理想です。何度も挑戦することで身につくことはできます。
我が家の子どもちゃんは、お風呂で数えるとき、数字が飛んだり、逆になったりしました。言い終えてから、正しい順番を教えると、徐々にできるようになりました。ゆっくり慣れていくことが大切なようです。
チェックするときに大切な視点

チェックをするとき、ぜひ持っていてほしい視点があります。
できなくても焦らない、成長には個人差がある
年長の時期は、子どもの発達に大きな個人差があります。
同じ年齢でも、数の理解が進んでいる子もいれば、まだゆっくり育っている子もいます。
それはその子の成長のペースであり、優劣ではありません。
チェックはあくまで「今どの段階にいるか」を知るためのものです。
「できなかった」ことを責めたり、焦ったりするためのものではありません。
できていなかった項目があれば、「今、ここにいるんだな」と現在地を確認する感覚で受け止めてみてください。
できないことが将来に直結するわけではない
「今できていない=将来も算数が苦手」
ではありません。
研究が示しているのは「傾向」と「関連」であり、「できなければ必ず困る」という断言ではありません。
大切なのは、
今の状態を知って、今日からできることを一つ始めること。
焦って詰め込むより、日常の中でコツコツと経験を積み重ねることの方が、長い目で見たときに大きな力になります。
日常でできること
チェックの結果をもとに、まずは日常の中からできることを始めてみましょう。
日常生活に自然に取り入れる
特別な教材や時間がなくても、日常の中に数に触れる機会はたくさんあります。
ポイントは「勉強」ではなく「遊び・生活の一部」として取り入れること。
我が家もそうですが、子どもが楽しいと感じる場面に数を自然に組み込む工夫が、長続きの秘訣です。
日常生活での学びについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
算数アプリを活用してみる
忙しくて一緒に取り組む時間がなかなか取れない…というときは、算数アプリの活用もおすすめです。
子どもが自分のペースで、楽しみながら数の感覚を育てられるのが魅力
です。
今回の4つの項目についての学びを取り入れているRISUきっずもあります。
我が家でも実際に取り組んだアプリの体験談を参考にご覧ください。
まとめ

まずは4つの力をチェックして支援しよう!
今回の記事で紹介した内容を整理すると以下です。
- 就学前の数の力は、4つのチェックで確認できる
- この4つは研究に基づいた信頼性のある項目
- 特に③数の大きさ・④数の並びが小学校以降の算数と強く関連している
- できていなくても焦らなくてOK、今日からできることを一つ始めよう
- 日常生活の中に自然に数を取り入れることが一番の近道

「うちの子、どこまでできているんだろう?」という不安が、
この記事を読んで「今ここにいるんだな、じゃあこうしよう」という安心と行動に変わったら嬉しいです。
まずは今日、4つのチェックをぜひ試してみてください!



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