
子どもの考える力を育てたい!
何をすればいい?

どうすれば、子どもの考える力は伸ばせるの?
そんな悩みを持つパパママは多いのではないでしょうか?
でも実は、毎日の生活の中でちょっとした“問いかけ”を工夫するだけで、
子どものワクワクする探究心や考える力ってどんどん伸びていくんです。
この記事では、教育関係で10年以上勉強、働いたこともある私たちが、 おうちですぐにできる知育的な4つの問いかけアイデア、さらにその実践を通して子どもの中にどんな力が育つのかをご紹介します。
絵本・おもちゃ・自然・季節を使うから、特別な準備も不要!
- なぜ「問いかけ」が子どもの成長に必要なのか知りたい人
- お家でできる問いかけのコツを知りたい人
- 具体的な問いかけ例を真似してみたい人

今日からお子さんと一緒に、“考える時間”を楽しんでみませんか?
ぜひ最後までゆっくりご覧ください!
なぜ考える力を伸ばすために子どもに“問いかけ”が大切?
AIが苦手、人間が得意とする部分!
AIやロボットが急速に発展する今、人間の代わりに、正確に素早く処理してくれるものが増えてきました。
・飲食店で、商品を運搬するロボット
・大型ショッピングセンターで、広告を運んでいるロボット
など、
社会が大きく変わっていく中で、人間が得意とする部分もあります。
その1つが、「問いを立てる」ことです。
詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
教育現場でも”探究”を進めている!
文部科学省のホームページには次のように書かれています。
総合的な学習(探究)の時間は、変化の激しい社会に対応して、探究的な見方・考え方を働かせ、横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にしていることから、これからの時代においてますます重要な役割を果たすものである。
探究的な学び方の始まりは「問いを立てる」ことからスタートします。
この総合的な学習(探究)の時間が必修になっている状況からも、探究の始まりである「問いを立てる」ことは非常に重要なことですね。
探究的な学習についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
なぜ考える力を伸ばすために子どもに“問いかけ”が大切?
大人が問いかけてあげよう!
子ども自身で考えることも大切ですが、経験なくしてできるものでもないです。
大人が何度も問いかけて、経験させることも大切。
考える力を養うために、必要な大人のすべきことをピックアップした記事があります。
大人が問いかける必要性もあるのです!
自分で”わくわく”するものから作り出してみよう。

アメリカの哲学者デューイ(J.Dewey)が「探究」について、”なぜ?”や”どうして?”などを感じる「不確定な状況」から”分かった”と「確定した状況」になることと述べています。
この”なぜ?や”どうして?”などという疑問は「問い」の1つです。
自分が興味をもったり、気になったりしたものについて、”なぜ?”とか”こっちは?”などと疑問に思うことがあるのではないでしょうか?
だからこそ、自分の興味をもったもの、知りたいと感じる”わくわく”するものから「問い」を作ると考えること、調べることが楽しいものになります。
【実践】家庭でできる!子どもの考える力を伸ばす問いかけの工夫4選
①絵本を使った「見方を変える問い」
「〜を見る向きを変えると、どんな形になるかな?」
身の回りにあるもの、例えば、空き缶やペットボトル、紙パックなど。
その”見る向き”を変えるだけでいろんな形がでてきます。

この問いで育つ力は、次の『問いかけで育つ3つの力 空間認知』をお読みください!
我が家の実践は子どもちゃんが大好きな絵本。
小学館『I SPY8ミッケ!がっこう あたらしくてなつかしいかくれんぼ絵本』という絵本を読んだときに実践してみました。
多くのおもちゃの中から、ケーキを探す場面、どうしても見つからない。
よくよく見てみると、ケーキの”見え方”が上から見た形です。
幼い年齢だったので、追加で具体的な問いを与えることにしました。

ケーキを見る向きを変えると、どんな形になるかな?
誕生日に食べる大きなケーキは、上から見るとどんな形をしている?

丸い形!

確かに!丸い形をしているね!
上から見ているような丸い形のケーキを探してみようか!
何度か経験していくと、子ども自身で、いろんな視点でものを見るようになります。
ぜひいろんな場面で活用して欲しいです。
②図鑑や自然を使った「違いを見つける問い」
◯◯と△△はどんな違いがあるかな?
特に身近である自然にあるもので比較することをおすすめします。

この問いで育つ力は、次の『問いかけで育つ3つの力 比較分析』をお読みください!
夏の時期になると、バッタが多く、捕まえることが日課に。
そんなバッタについて、いくつか捕まえたものを子どもちゃんなりに比較していきます。

小さいバッタと大きいバッタ捕まえたよ!
すごい飛ぶ!
子どもなりの比較をしながら、楽しむ場面が出てくるでしょう。
今ある知識なりに、自然と比べます。
ここで、大人なりの新しい問いをぶつけてみましょう。

この小さいバッタと大きいバッタにどんなちがいがあるかな?
大きさだけ?

顔がちがう!

本当だ!たくさんのちがいがあるね!
あとで図鑑でも探してみようか!
さらに図鑑を通して、多くの種類と比較することでより興味を広げることができます。
見て、話して経験することが、知識を増やしてくれるのです。
③おもちゃを使った「原因を考える問い」
こっちは◯◯となるのに、こっちはそうじゃない。なぜだろう?
これは、何か起きたときの原因を考える問いです!
先ほどの比較と似ていますが、その要因を考えることの始まりになるもの。
以下の記事にその具体的な場面をまとめてあります。
我が家の風船を利用した子どもと一緒に考える場面を紹介しています。
④季節を使った「なぜ?を探す問い」
◯◯はなぜ◯◯になるのかな?
季節は冬。
幸せなことに、私たちの家の周りは冬になると、よく水が凍ったり、つららが自然とできます。
そのようなときに使える問いです。
実際、子どもちゃんに昨年の冬に聞いてみました。

お外のお水の表面に氷ができているね、
お水はなぜ氷になるのかな?

お外が寒いからだよ!
と話してくれました。
これまでに「寒いから凍っちゃう」という大人の話をよく聞いてくれたようです。
ある日、窓を開けて、お風呂に一緒に入っていると、子どもちゃんが自分の考えを話してくれました。

あの氷(つらら)はね、
お水からできていると思うの!

なんでそう思うの?

だってね、お水でてくるでしょ
推測でしかないのですが、水が凍っていた経験と、つららから水が落ちてくるという事実を繋げて、自分なりに考えたのだと思います。
これだけでも、実生活から大きな知識を得ていますよね。
やっぱり、人の考える力はすごいし、さらに子どもの成長・発想はすごいものです!
【メリット】問いかけで育つ!子どもの考える力3つ
空間認知力(立体を考える力)
身の回りにあるものを、”見る向き”を変えてどんな形が見えるのかを知ることは、
中学生で学ぶ数学の先取りになります!
”見る向き”を変えるとは、空き缶やボールを上から見たり、真横から見たりすることです。


このような見方は、中学1年生の数学”投影図”で学びます!
投影図とは、次のように平面図と立面図を合わせたものを指します。

「【実践】①」のケーキの見方は、この投影図を考えていることと一緒です。
身の回りのものをどの位置から見るのかで、図形の特徴を分析する力が養われます!
経験をしておくことで、中学生で学ぶ力を養えるメリットがあります!
比較・分析力(違いに気づく力)
ものごとの”違い”を見つけることで、”比較する”力を養うことができます。
何か失敗があると、これまでと何が違ったのか考えますよね。
この違いを知ろうとする力が、何か起こったときの原因を分析する力につながっていきます。
ですが、違いを見つけるための視点は、経験を積まなければ養うことはできません。
身近なところでできるものは、自然にあるものの比較です。
「【実践】②」で取り上げたバッタのような比較がお家でできると、昆虫について学ぶことになります。この昆虫に関しては、小学3年生の理科で学び始めます。同じバッタでも、頭の違いや大きさの違いを知ることから、昆虫の体の特徴を見ることができます。
これは学習指導要領(各教科で学ぶ内容などを決めている)の中に書かれてある
身近な昆虫や植物を探したり育てたりして,成長の過程や体のつくりを調べ,それらの成長のきまりや体のつくりについての考えをもつことができるようにする。
(学習指導要領「生きる力」第2章 各教科 第4節 理科より)
という目標を達成することにも繋がります!
また、身の周りのものは、当たり前と思ってしまい、案外気づきにくいものです。
だからこそ、「比較する問い」は興味を広げるためにも必要な問いです。
論理的思考力(原因や理由を考える力)
「【実践】③④」では比較をするだけでなく、その後の原因を問うことで、自分なりに考えをまとめる力が養われていきます。
この【実践】では、中学校の理科で学ぶ浮力や状態変化について触れるよい機会になります。

NHK for Schoolでは、風船を用いた浮力の学びがまとめられています。
この浮力については、お風呂の風船がなぜ浮くのか、その原因を考えるきっかけになります。
幼いので本当の理解は難しいかもしれませんが、家庭での経験が本質を理解しやすくしてくれます。
まとめ
問うことを経験していこう!
「問いかける」って難しいと感じますよね。
私も当初は、どこで何を聞けばいいかなと悩んだときもありました。
でも、失敗してもいいので、まずはやってみることが大切。
私たちも経験していくことで、自然と思いつくようになってきました!
子どもたちも、私たち大人も一緒に成長すればいいのでしょう!
答えは教えなくてもいい!
年齢に応じて、理解しにくい内容もあります。
だからこそ、正解を伝えなくてもいい場面もあります。
【実践③】の風船のお話では、正解を伝えていません。
「大きくなったら、もっとわかるよ」で十分です!
大人である私たちが説明できなくても、一緒に発見できることの方が価値があるでしょう。
まずは今日から1つ問いかけてみよう!
初めにも書いたようにまずはやってみることが大切です。
「なぜ?」や「どうして?」ということを子どもたちに聞いてみましょう。
子どもたちの視点で、子どもたちなりの考えを話してくれます。
正解、不正解ではない、その子なりの考えを尊重できます。
いろんな問いかけから、子どもたちのたくさんの発見に繋がり、
皆さんの幸せな1日が増えていきますように願っています。
参考文献・出典
・小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 算数編
・中学校学習指導要領 (平成 29 年告示) 解説 数学編
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