「子どもの“考える力”って、どうやって育てたらいいんだろう?」
「子育て、これでいいのかな……?」
そんなふうに、日々の育児の中で悩むことはありませんか?
実は、子どもと過ごす“なんでもないような日常”の中にも、意味のある大切な時間があります。
たとえば、「子どもと一緒に“考える時間”をもっと作りたい」と感じたとき——
おすすめしたいのが、身近な自然や植物にふれる時間です。
教育心理学の研究でも、自然との関わりは、
子どもの「自己決定感」や「思考力」、「感性」の育成に役立つことがわかっています。
私は元教育関係の仕事をしていたこともあり、
日々子育てに悩んで、調べて、挑戦することで、「実際にやってみてよかったこと」をまとめています。
今回はその中から、“探索プロジェクト〜植物編〜”として、
子どもと一緒に身のまわりを観察した体験を記事にまとめました。
この記事では、
自然や植物にふれることの意味やメリット、そして実際の親子のやりとりから見えた子どもの成長についてお伝えします。
- 自然や植物にふれることのメリットを知れる。
- 自然にふれる具体的な遊びなどを知れる。
- 子どもと一緒にすることで得られた発見や子どもの成長を知れる。
自然にふれることで、子どもの力が伸びる
調査や研究内容
2021年度に、文部科学省からの委託を受けて「非認知能力に関する園の取り組み」についての調査をCedepが行ったそうです。その調査の結果をBOOKとしてまとめたものがこちらに掲載されています。
”認知能力”とは、読んだり、書いたり、計算したりと知能検査で測れる力です。それに対し、”非認知能力”とは、「非認知能力の育ちを支える幼児教育 園の取り組み事例集78」によると、以下のようにまとめられています。
自分を大切にし、自分を高めようとする力、周りの人とうまくやっていく力、自分の感情をうまくコントロールする力など、「認知能力」以外の心の力のこと(p.3)
この非認知能力について、「日本生涯学習総合研究所」の「02「認知能力」と「非認知能力」、どちらが重要なのでしょうか?」という部分で、以下のように書いています。
物事に興味を持つと疑問が湧き、調べてみると、知識=「認知能力」が増えます。新たな発見があり、知識が増え、理解が進むと学ぶことが楽しくなります。学びによって自信がつき、知識を役立てたい、貢献したいという意欲が湧くと、さらに新たな興味や疑問が湧き、知識が増え、またさらに学びたくなるという学びの循環が生まれ、「認知能力」、「非認知能力」ともにより高次に発達していくと考えられます。
この部分からもわかるように、何かの物事に興味を持つことで、認知能力の向上を基盤に、非認知能力の育成につながっていくと考えられるのではないでしょうか。
メリット
植物に触れることは、先ほどの「非認知能力の育ちを支える幼児教育 園の取り組み事例集78」でも取り上げられています。この事例集を作るまでの研究では、非認知能力を3つに分類しています。
- 自己に関わる心の力
- 社会性に関わる心の力
- 非認知能力を支える基盤
この3つの分類に該当する力をさらに小さく分けていました。特に、1つ目の「自己に関わる心の力」の中に「感受性」が取り上げられています。この感受性は「五感を通して環境から刺激を受けたり感動したりする力」としているようです。事例集のp21では、身近な自然に目を向けることで変化を感じとる力が育つことがることがわかります。やはり、自然に触れること、身近な環境の変化を感じ取ることが感受性を育て、特に事例集でまとめられている「自己に関わる心の力」を育成し、非認知能力の育成につながるメリットがあるようです。
自然などへ触れる例
植物に限らず、いろんな自然などへの触れ方があると思います。
例えば、周りに落ちている石はどうでしょうか?形が違ったり、たまたま落ちている石がなぜそこにあるのか考えを巡らせたりできるかもしれません。
雲はどうでしょうか?雲の形に注目して何に似ているか想像したり、周囲の雲と比較して何が違うか考えてみたり、言葉に注目してクモと雲について考えてみたりすることができそうです。
周囲にあるもの一つで考えを広げることができ、すごくワクワクしますよね!こうした日常の“気づき”をきっかけに、「なんでだろう?」と考える力が自然と育ちます。好奇心は、非認知能力の原動力ともいえる大切な力なんですね。
探索スタート!親子の会話と体験エピソード
探検スタートが、砂遊びに!?

探索出発だー!
何が見つかるかな?

三輪車に乗るぅ🎵
パパは後ろから押してね、子どもちゃんはしっかりこぐからね!
三輪車に乗った子どもを後ろから推しながら進んでいくと、近くの公園まで辿り着きました。

子どもちゃん、砂遊びしたい!
探検のつもりが、砂遊びに変更です。子育てしていると、こんなことが多々起こりますよね。

パパは、カレーの具を作ってね!
子どもちゃんはカレーのルーを作るから!
なぜか、大変な方を親がすることになりますよね。皆さんのお家ではどうですか?
探検できずに終わると思っていると、ちょうど雨が降り始めてきたので、砂遊びを断念し、帰路につきました。
帰路での発見!
帰り道に子どもちゃんの乗っている三輪車を押している時です。初めに通った道と逆端を歩いていたと木です。

みぃて!
白い、ピンクの花があるよ!


本当だね、何に似ている?

んー、わかんない!

パパは朝顔っぽいな
お家に帰ったら図鑑見てみよっか。

うん!
自宅に帰ってから、「小学館の図鑑NEO〔新版〕 植物 DVDつき」で見ようとすると、

これ、さっき見つけた花だよ!

似ているね、図鑑の中で実際に探してみよう!
このページぐらいにあるかな?

あった、さっき見つけたのこれだよ!
私より早く見つけた子どもちゃんは嬉しそうにしていました。似ている花も図鑑に載っていたのですが他の植物と自分なりに比較や似ているところを探して判断したのでしょう。
まとめ
身近な自然の中で、親子の会話を通じて生まれる「気づき」が、感受性を育て、非認知能力へとつながっていく大切な種なのだと、改めて感じました。
「考える力」や「心の成長」は、日々の生活の中の、ほんの小さな瞬間にあるようです。
身構える必要はありません。子どもの「なんだろう?」に寄り添い、一緒に考える――。
それだけで、子どもにとっても、親にとっても、かけがえのない時間になるのだと思います。
今日の発見から、またひとつ、幸せな1日が増えますように。
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